2020年05月03日

ジャック・ロンドン『野生の呼び声』
(スイッチ・パブリッシング・
柴田元幸翻訳叢書『犬物語』)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1876年、サンフランシスコに生まれ、40歳という若さで亡くなったアメリカの作家ジャック・ロンドン。10代で漁船の乗組員として世界を転々とし、その後ゴールドラッシュにわくカナダ北西部へ金鉱を探す旅に出ます。その時に経験したことを様々な形で小説に残し、そのひとつが以前取り上げた「火を熾す」。仲間が待つ場所を目指して極寒の中を歩くひとりの男と、そのすぐうしろをついてくる犬の物語でした。そして今回の「野生の呼び声」も犬が登場します。物語の主人公バックは、セントバーナードの父とスコッチシェパードの母から生まれ、アメリカ西海岸の判事の家で愛されて暮らしていました。しかしそんなバックの身に危険が迫ります。

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