2020年04月26日

宮沢賢治『グスコーブドリの伝記』
(新潮文庫『新編 風の又三郎』)

両親がいなくなり、妹のネリも見知らぬ男に連れていかれ、たったひとりになってしまったグスコーブドリ。その後、工場で働き農業に携わり、さらにイーハトーブ火山局の技師となって雨と一緒に肥料を降らせ、多くの人に感謝されます。しかし再びイーハトーブは深刻な冷害に見舞われるのです。この状況を回避するための方法をブドリは考えつきますが、しかしそれにはある犠牲がともなうのです。長年読み継がれている「グスコーブドリの伝記」。ひとつの死、ひとつの犠牲が人々を救うことになるというこの物語の終わりをどう読み取るか?時代によって、また読んだ時の自分の年齢や経験によっても感じ方が違ってくる作品です。

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