心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
いつも沢山のリクエストをいただいている宮沢賢治の作品。今までにも「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」そして「雨ニモマケズ」の詩を味わいましたが、今回選んだのは「グスコーブドリの伝記」。昭和7年、賢治が35歳の時に発表した童話です。主人公のグスコーブドリは、イーハトーブの大きな森のなかに生まれました。ブドリにはネリという妹がいて、二人は毎日森の中で遊んでいます。しかしブドリが10歳の時、気象状態に変化が起こり、お日さまは変に白く、こぶしの花もまるで咲きませんでした。そしてある日、お父さんは考えた末、森の中に入っていき、お父さんを探しに森に行ったお母さんも帰ってきませんでした。
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