2020年03月22日 | |||
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次第に寒くなり、雁たちが南へ旅立とうとしていた時、羊の群れを連れている老人が倒れているのを見つけます。雁たちが温めて助けると、その老人が「中郎将の蘇武」という人物であることがわかりました。蘇武とは、使者として匈奴(今のモンゴル高原あたり)に行き、そこで19年間、幽閉されていた人物。この話は「雁書」という中国の故事にもあり、それをもとに中勘助があらたな物語として完成させました。この他、鳥の目線で描いた12の物語。どのストーリーにも鳥への愛や親しみがあふれ、また鳥が語ることで人間の愚かさも伝わってきます。もし今の世の中を鳥の視点で描いたなら、中勘助はどんな物語を綴ったのでしょうか? |