心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
黒澤明監督の映画にもなり、何度もドラマ化されている「赤ひげ診療譚」。1958年(昭和33年)「オール讀物」3月号から1年間、連載されていた山本周五郎の短編時代小説集です。舞台は江戸時代の中期、場所は東京の小石川。ここには幕府による無料の医療施設「小石川養生所」が設けられていました。そこにやってきたひとりの若者・保本登。彼は3年間、長崎で医療を学び、幕府の御番医になるつもりでした。しかし医員見習としてこの場所に送られてしまいます。そこで出会ったのが「赤ひげ」と呼ばれる医長・新出去定。彼はここの独裁者と言われ、保本登も最初は「赤ひげ」に反抗しますが、彼のもとで働くうちに少しずつ成長していきます。
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