心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
2020年最初に取り上げたのは、沢村貞子さんの「私の浅草」です。1908年(明治41年)に浅草で生まれ、小津安二郎監督の作品など生涯で100本以上の映画に出演された沢村貞子さん。また以前、番組でも取り上げた「私の台所」などエッセイストとしても数多くの文章を残されています。今回の「私の浅草」は、沢村貞子さんが生まれ育った浅草の思い出を記した1冊。1976年に出版され、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しています。浅草寺の除夜の鐘を聞きながら初詣を楽しむ思い出。かぞえで16になったお正月に銭湯に行ったエピソードなど、新年の浅草の風景や昔懐かしい下町の風情も感じられるエッセイ集です。
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