心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
12月9日は開高健の命日。1989年、58歳で亡くなっています。今年は没後30年。代表作のひとつ「裸の王様」を読んでみました。この小説の語り手である「ぼく」は「画塾」を開いている人物。そこに大田太郎という小学2年生の少年が通うようになります。太郎の父親は絵具会社の社長。実の母親はすでに亡くなり、現在義理の母親に育てられています。そんな太郎は「画塾」に来ても一向に絵を描こうとしません。太郎は描くべきものを持っていないと感じた「ぼく」は、太郎を川原に誘うのです。そして泥だらけになって二人で過ごすうちに、心の変化が見えてきます。「裸の王様」は、太郎が描いた絵にちなんで付けられた題名でした。
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