2019年09月15日 | |||
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「以和子」の今の恋人は、51歳の大庭という家庭を持った男。しかし結婚する意志のない彼女にとって不都合はなく、付き合って1年たった今もどきどきする心弾みは薄れていません。大庭に見つめられると嬉しさと恥ずかしさの入りまじったような、息苦しいほどにたかぶった気持になるのです。この小説は浮ついた不倫を描いたものではなく、恋愛を描きながら人生のはかなさを映し出したものである、と小川洋子さん。主人公の「以和子」の人生観は、現代の働く女性の心にも響くものがあるのではないでしょうか?生前、様々な小説やエッセイを発表され、古典文学にも造詣が深かった田辺聖子さん。文学の神様に選ばれた作家のお一人です。 |