2019年08月11日 | |||
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誰も住んでいない家とそこで誰かを待ち続ける椅子。その不思議な謎を解き、妹のゆう子を現実の世界に連れ戻そうとする直樹。その謎が解けた時に知らされる現実は、とても深く重たいものでした。戦争を体験した文学者の方たちは、戦争の悲惨さや原爆の恐ろしさをどのような形で伝えたらよいだろうかと考えています。松谷みよ子さんの場合は、ファンタジーの中にその想いを込めました。「ふたりのイーダ」が児童文学として素晴らしいからこそ、時代を超えて読みつがれ、その中に込められた松谷さんの想いも、時代を超えて伝えられていきます。今年は「ふたりのイーダ」刊行から50周年。さらなる50年も多くの人の心に響く児童文学でありますように。 |