2019年08月11日

松谷みよ子
『ふたりのイーダ』
(講談社青い鳥文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

8月にぜひ読みたい松谷みよ子さんの「ふたりのイーダ」。原爆、そして戦争への想いが込められた児童文学です。主人公の少年、直樹は小学4年生。妹のゆう子と一緒にお母さんの実家、広島に近い「花浦」を訪れます。ゆう子はまだ2才11ヶ月。「いやだ」という時「イーダ」というため「イーダちゃん」と呼ばれています。お母さんが仕事で九州に行っている間、不思議な世界に入り込む直樹とゆう子。「イナイ、イナイ、ドコニモ・・イナイ」と誰かを探し求めてさまよう椅子。その椅子は自分が探していたのがゆう子だと思い、ゆう子も椅子と仲良くなっていきます。さらにもうひとり重要な登場人物がりつ子。彼女はどんな過去を持っているのか?ミステリアスな内容に読者は深く入っていきます。

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