2018年9月30日 | |||
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江戸時代に出版された「伊曾保物語」には、まずイソップがどんな人物だったかが記されていて、そのあとに動物寓話が掲載されています。また天保の時代には「伊曾保物語」をもとにした「絵入教訓近道」という本も誕生しています。この頃、天保の飢饉や大塩平八郎の乱、日本近海に出没する外国船など社会不安が高まるとして、江戸幕府は翻訳書の出版を許可制にしたり、人情本などの出版を禁止しました。そこで人情本を代表する作家、為永春水は、「伊曾保物語」をもとに西欧色をなくし、日本の教訓書に脚色して出版。それが「絵入教訓近道」です。龍の話を河童に変えたり、浮世絵師の歌川貞重の挿絵の中にも日本らしさの工夫が散りばめられています。 |