2017年12月10日
柴田錬三郎
『‘眠狂四郎無頼控’より雛の首』
 (新潮文庫)

当時、江戸城内で権威を持っていたのは老中筆頭の水野出羽守忠成。それに対抗して野心を持ち、体勢一新をもくろんでいたのが忠邦でした。忠成は、美保代という女を密偵として忠邦の屋敷に送り込み、すでに彼女には忠邦の寵愛が注がれていました。その正体を暴くために忠邦に仕える武部仙十郎という人物が眠狂四郎をつかったのです。運命的な出会いをする狂四郎と美保代。さらに静香という女など個性的な登場人物が巧みに絡み合って物語は続いていきます。また母は旗本屋敷の娘、父は転び伴天連という眠狂四郎の生い立ちも少しずつ明らかになっていき、先を読まずにはいられなくなる小説。大ヒットする要素満載です。

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