2017年12月10日

柴田錬三郎
『‘眠狂四郎無頼控’より雛の首』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今年2017年は、作家・柴田錬三郎の生誕百年。それにちなんで代表作「眠狂四郎無頼控」を読んでみました。映画では市川雷蔵、テレビ時代劇では田村正和が演じた人気キャラクター。原作も500万部を突破するヒットシリーズです。眠狂四郎がはじめて登場したのは昭和31年。雑誌「週刊新潮」の創刊とともに連載が始まり大反響を巻き起こしました。切れ味鋭い文体と物語の続きが気になる展開。週刊誌の連載にぴったりの作品です。その第一回が「雛の首」という物語。時代は文政十二年、江戸時代の後期。眠狂四郎が金八という子分を従えて、老中である水野越前守忠邦の屋敷に向かいます。その目的はいったいなんだったのでしょうか?

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