心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
作家、フランス文学者、美術評論家、ジャン・コクトーやマルキ・ド・サドなどフランス文学の翻訳でも知られる澁澤龍彦。1987年に59歳で亡くなっているので、今年は没後30周年。彼が残した作品が再び注目されています。エッセイストとしても様々な作品を発表。その中から50代前半に書いたエッセイ「華やかな食物誌」を選んでみました。「食」をテーマにしたエッセイと言っても、美味しいものが紹介されているのではありません。やはり澁澤龍彦ならではの内容。ご自身でも「奇想の食物誌といった趣きになった」と書いているように、古代ローマやフランス宮廷を舞台にした恐ろしくなるほどの美食が登場します。
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