2017年4月30日
藤原新也
『西蔵放浪』
 (朝日文庫)

地球上で最も標高が高い地域と言われるヒマラヤ山脈。その南西にインド、北東にチベットがあります。インドとチベットは近くて遠い場所。それはヒマラヤに隔てられているというだけでなく、まるで違う時を持っているからかもしれません。チベットの人たちは、朝夕の光に映えるヒマラヤのことを蓮の花にたとえますが、泥沼のようなインドではヒマラヤはどんな場所に感じるのでしょうか?私たちが行きたくてもなかなか旅することができない場所が世界中に果てしなくあります。家にいながらにしてひとときその土地が持つ時間を感じることができるのも読書の楽しみの一つ。藤原新也さんの「西藏放浪」で、彼岸の国へのタイム・スリップを味わってみてはいかがでしょう。

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