心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
4月2日は高村光太郎の命日「連翹忌」。生前、連翹の花が好きで、アトリエの庭や61年前の葬儀の時にも棺の上に連翹の花が飾られていました。命日にちなんで今回取り上げたのは高村光太郎の代表作「道程」。大正3年10月、31歳の時に自費出版した詩集「道程」の表題作です。「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」で始まるたった9行の詩ですが、最初は102行にも及ぶ長い作品でした。その時には「僕ははじめ1歩も歩けない事を経験した」というような言葉も綴られていて、この作品が深い悩みの中から生まれた事がわかります。詩集「道程」を発表する以前、高村光太郎はどんな人生の道を歩んでいたのでしょうか?
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