2016年12月11日
ファラデー
『ろうそくの科学』
 (角川文庫)

科学者ファラデーがすごいのは、彼が残した業績や講演の素晴らしさだけではありません。実は独学で科学の道に進んだ人です。1791年、ロンドンの貧しい鍛冶屋の次男に生まれたファラデーは、早くから家業を手伝わされ、小学校に通う年頃には製本屋に働きに出されていました。しかし彼の運命に光がさしたのは、製本屋の主人が理解のある人だったから。ファラデー少年が仕事の合間に製本しかけた本を読んでいるのを、温かい目で見守り、屋根裏で化学の実験をすることを励ましたそうです。どんな過酷な状況の中でも、ファラデーが自分の望む道に進めたのは、彼の強い意思とまわりの大きな理解があったからではないでしょうか?

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