2016年3月27日
ジョゼフ・コンラッド
『闇の奥』
 (光文社古典新訳文庫)

小説「闇の奥」の作者ジョゼフ・コンラッドは、1857年ロシアの占領下にあったポーランドで没落貴族の家に生まれました。父親が独立運動に関与したため一家は流刑。早くに両親を亡くします。その後、16歳で船乗りを目指し、21歳で一等航海士、29歳で船長の資格、そしてイギリス国籍も取得しています。世界中を船でまわり、実際にマーロウも32歳の時にコンゴに行っています。だからこそ小説「闇の奥」にはリアリティのある世界が描かれているのです。この小説は100年以上も前に発表されていますが、決して過去のものではありません。現代社会でも世界の奥に目を凝らすと、そこには計り知れない闇が広がっています。

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