2016年3月27日

ジョゼフ・コンラッド
『闇の奥』
 (光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

イギリスの作家ジョゼフ・コンラッドが20世紀のはじめに出版した小説「闇の奥」。霊長類学者の山極寿一さんが心に残る1冊にあげられるなど、若き日にこの作品にひかれて冒険の夢を持たれた男性の方もいらっしゃるでしょう。物語の主人公がアフリカを目指しそこで見て感じたことが記されています。最初の舞台はロンドンのテムズ河。河口近くに浮かぶ遊覧船には、船長に招待された人達が乗っていました。そのひとりが主人公の男マーロウ。彼は自分がかつて出掛けたコンゴでの体験談を語り始めます。奴隷たちが鎖につながれ強制労働させられていた時代。当時、蒸気船の船長だったマーロウはその奥へ奥へと入っていきます。

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