2016年1月10日

ジャック・ロンドン
『火を熾す』
 (スイッチ・パブリッシング)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

アメリカの作家ジャック・ロンドンは、1876年にサンフランシスコの貧しい家に生まれ、10代で漁船の乗組員として世界を転々とし、その後、ゴールドラッシュにわくカナダ北西部で金鉱を探す旅に出たそうです。その時に経験した冬の厳しさが作品の背景になっていて、そのひとつが今回取り上げた短編小説「火を熾す」。物語の舞台はカナダを流れるユーコン川。ひとりの男が極寒の朝、仲間が待つ場所を目指して歩いています。そのすぐうしろには1匹の犬。お昼になると男は弁当を食べるため、火を熾しにかかります。1回目はうまく火が付きますが、その後、消えてしまい、それが悲劇のはじまり。厳しい寒さの中で男と犬の運命はどうなっていくのでしょう。

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