心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
今年8月3日に94歳で亡くなった作家の阿川弘之さん。生前、小説・エッセイ・絵本、そして翻訳も手がけられていました。メロディアス・ライブラリーでも、以前、小説「雲の墓標」や絵本「きかんしゃやえもん」を取り上げたことがありますが、今回は「食味風々録」。2001年に「読売文学賞」を受賞した食をテーマにしたエッセイです。世の中のこと何にでも腹を立てて「ぶうぶう」文句を言っている自分がおかしいという事で付けられた題名ですが、実際に読んでみると阿川さんのユーモアを感じる文章と内容。「スニーカー」を墨烏賊、「世の中」がモナカとすべて食べることに聞き間違えるようになって、このエッセイを書き始めたという書き出しも楽しいです。
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