2015年09月20日 | |||
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最初の場面では「雲林院」というお寺で老人たちが語り始めます。彼らが伝えたいのは、現在、政権を握っている藤原道長のこと。それを語るためにまず歴代天皇の話をしていきます。というのも藤原道長の繁栄の基盤がそこにあるからです。また学問の神様として知られる菅原道真も登場。平安時代の貴族で政治家でもある彼の悲劇が記されています。さらに村上天皇の皇后・安子が、天皇が寵愛している女御・芳子に嫉妬して、壁に開けた穴から素焼きの破片を投げつけるエピソードなど当時の女性の言動や行動も読み取れる「大鏡」。古典文学を読むと必ず感じるのは、千年前の人たちと今の私たちは変わらないということです。 |