2015年08月09日
古山高麗雄『蟻の自由』
 (新潮文庫 100年の名作第6巻)

読み終えてあらためて感じるのは「蟻の自由」というタイトルから伝わってくるもの。物語の主人公が少年の頃、目薬の瓶に1匹の蟻を入れて、学校に持っていき放したことがありました。その蟻と今の自分を重ねあわせて、あの蟻と似ていると感じます。しかし実際には蟻が持っている自由さえも兵士たちは持っていないのです。さて今回は、新潮文庫の「日本文学100年の名作」というアンソロジーの第6巻で「蟻の自由」を読んでいきました。このアンソロジーは新潮文庫創刊100年を記念して出版されたもので、1914年から2013年までの100年間に発表された短編や中編小説が10巻にわたって掲載されています。それぞれの時代の名作に出会えるアンソロジー。ぜひ手にとってみて下さい。

...前に戻る