2014年08月24日
佐藤さとる
『だれも知らない小さな国』
 (講談社文庫)

コロボックルと呼ばれる小さな人達と知り合い、彼らが暮らす山を守ろうとする少年の物語。作者の佐藤さとるさんは、この童話を最初に発表した時のあとがきでこう書かれています。「私が書きたかったのは、人がそれぞれ心の中に持っている小さな世界のことなのです」。心の中に持つ小さな世界・・それはたとえば自分のお気に入りの本を持つことにもつながります。子供の頃からの愛読書があれば、いつでも心の中の小さな世界に戻っていくことができるからです。「だれも知らない小さな国」が55年も読み継がれているのは、この本を愛読書にされている方が多いということ。この童話が心の中の小さな世界となって永遠に存在し続けてくれるのです。

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