2013年08月18日
寺田寅彦
『科学と科学者のはなし』
(岩波少年文庫)

科学と文学の両方に通じていた寺田寅彦。そのきっかけは、高校時代に出会った二人の先生でした。ひとりは数学と物理学を習った田丸卓郎先生。造船学科を志望していた寺田寅彦でしたが、物理学の面白さを田丸先生から学び、物理学科への進学を希望するようになりました。もうひとつの出会いは当時、英語を教えていた夏目漱石。その後、二人は文学について議論を交わし、俳句を作り合う仲になっていきます。ある出会いがその人の人生を大きく変えることがあります。宇宙物理学者の池内了さんは、高校の頃、寺田寅彦の随筆を読んで科学の面白さを発見したそうです。「科学と科学者のはなし」を読んだ人の中から未来の科学者が生まれるかもしれません。

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