2013年08月11日

竹山道雄
『ビルマの竪琴』
(新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「終戦の日」を前に選んだのは「ビルマの竪琴」。出版から65年たった今も読み継がれている竹山道雄の小説で、市川崑監督により1956年と85年の2度、映画にもなっています。物語の舞台は、第二次世界大戦で戦場となっていた東南アジアの国ビルマ(今のミャンマー)。日本軍の戦況は悪化の一途をたどっていました。そんな中、ある部隊は、隊長を中心に団結力を高め、敵からの攻撃に立ち向かおうとしています。音楽学校を出たばかりの若い音楽家が隊長だったため、彼らは嬉しい時はもちろん辛い時でも歌を唄い「うたう部隊」と呼ばれていました。その部隊の中心的存在が水島上等兵。彼はビルマの竪琴の名手です。

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