2013年08月04日
庄野潤三
『プールサイド小景』
(新潮文庫)

「プールサイド小景」でサラリーマンの家庭を描いた庄野潤三さん。庄野さんご自身も会社勤めをされていたことがあります。戦後、学校の先生をされたのち、大阪の朝日放送に勤務。ラジオ番組などを手がけられていたそうです。「プールサイド小景」を発表する1年前の1953年からは東京支社に勤務されていました。「サラリーマン生活が庄野文学になくてはならない」と小川洋子さん。その経験があるからこそ、サラリーマンが抱えるどこにもぶつけられない苦悩を描くことができたのではないでしょうか?その苦悩は時代を越えて人間が抱えるもの。だからこそ発表から59年たった今も「プールサイド小景」は読み継がれているのです。

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