心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
モスクワで4年に一度開かれる「チャイコフスキー・コンクール」。日本を代表するピアニスト中村紘子さんは1982年から5回にわたって審査員をされています。今回取り上げた「チャイコフスキー・コンクール ピアニストが聴く現代」は、1986年のコンクールのあと、帰国されてすぐに書き始めたエッセイ。「中央公論」で連載され、1989年には「大宅壮一ノンフィクション賞」も受賞されています。ピアノ部門だけでも世界各国から111名も集まる国際コンクール。審査員たちが人を選んでいく様子など人間模様も生々しく、さらに当時の社会的な視点も感じる作品。27年たった今、読んでも色褪せない魅力あるエッセイです。
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