2013年07月21日
木山捷平
『鳴るは風鈴』
(講談社文芸文庫)

ありふれた日常の中でおこる出来事を描いた「鳴るは風鈴」。この作品を通して、木山捷平は人の死と性欲。生きていると避けて通れないものをユーモアで包んで表現しています。同じ岡山出身の内田百閧ノもユーモアを感じますが、「内田百間のユーモアはひねくれ感、木山捷平はしょぼくれ感がある」と小川洋子さんは、二人の作風の違いを感じたそうです。木山捷平は中学の頃から詩を書き始め、21歳の時に上京。29歳の頃に太宰治などとともに同人誌を作っています。今回取り上げた「木山捷平ユーモア小説選」には「玉川上水」という作品も収められていて、これは太宰治について書いたもの。木山捷平ならではの視点で太宰の死を見つめています。

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