2013年06月09日
アリソン・アトリー
『時の旅人』
 (岩波少年文庫)

アンソニー・バビントンという貴族が、メアリーという元スコットランド女王を助けようとして、結局、二人とも処刑されてしまった「バビントン事件」。実際に起こった歴史上の事件の中に物語の主人公ペネロピーは入っていきます。この作品で作者アリソン・アトリーはあらたなファンタジーの世界を生み出しました。そしてそれを受け継いだのがフィリパ・ピアス。以前、取り上げた童話「トムは真夜中の庭で」で、イギリスのファンタジーは黄金期を迎えています。この二つの作品に共通しているのは「館」が舞台になっていること。「イギリスは建物自体に人間の記憶が染みこんでいる」と小川洋子さん。小川さんも「お館文学」の大ファンです。

...前に戻る