2013年06月02日

ロバート・キャパ
『ちょっとピンぼけ』
 (文春文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

世界的に知られる報道写真家ロバート・キャパ。スペイン内戦で撮ったと言われる「崩れ落ちる兵士」の写真は有名ですが、彼は写真だけでなく文章も残しています。今回取り上げた「ちょっとピンぼけ」は、キャパが第二次世界大戦に従軍した時の手記をまとめた1冊。発表されたのが1947年。日本でも1956年に翻訳本が出版され、今も読み継がれています。はじまりは1942年。ニューヨークにいるキャパのもとに雑誌の編集部から1通の手紙が届きます。そこには特派員として英国に行ってほしいとあり、1500ドルの小切手も同封されていました。カメラとフィルムを持って旅立つキャパ。待ち受けていたのはどんな世界だったのでしょう?

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