2013年05月19日
深沢七郎
『楢山節考』
 (新潮文庫)

小説「楢山節考」の最後には、深沢七郎の作詞作曲による「楢山節」という楽譜も掲載されています。深沢七郎は小説を発表する前、ギタリストとしても活躍。少年時代からギターに熱中して戦時中からリサイタルも開き、戦後40歳の頃、日劇ミュージックホールにも出演。その劇場で42歳の時に書き上げたのが「楢山節考」です。「ギターを弾いて、それでも足りない表現は小説を書いて表現した」と語り、こよなく音楽を愛した深沢七郎。特に好きだったのはプレスリー。小説「東京のプリンスたち」にもプレスリーの曲が登場します。1987年、心不全のため73歳で亡くなりましたが、告別式にもプレスリーの曲が流れたそうです。

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