2013年05月12日
水村美苗『母の遺産 - 新聞小説』
 (中央公論新社)

水村美苗さんは、12歳の時にお父様の仕事の関係でニューヨークに移り住み、大学もアメリカのイエール大学に通われていました。水村美苗さんご自身、「日本語を書くということ」というエッセイ集のあとがきでこんなふうに書かれています。「中学校を一学期だけ終えてアメリカに移り住んだ私は、手紙以外は日本語で書くことはなくなった。やがて日本の友達ともどんどんと疎遠になり、手紙を書くこともなくなった。」では日本語を書く機会がなかった水村美苗さんがなぜ日本語をつかって小説を書くことができたのでしょうか?実はアメリカで暮らす中、ひたすら日本語を読み続けたそうです。日本語に対する強い気持ちを持ち続けた水村美苗さん。その想いを小説という形で表現されたのではないでしょうか?

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