2013年05月05日
モーリス・ドリュオン
『みどりのゆび』
 (岩波少年文庫)

「みどりのゆび」の作者モーリス・ドリュオンは、第二次世界大戦の時に出征。祖国フランスがナチス・ドイツに占領されると、イギリスに脱出してBBC放送を通じてレジスタンスを呼びかけました。その経験からドリュオンは反戦の想いを持ち続け、チトという少年を通して「戦争は無意味である」ということを伝えています。童話「みどりのゆび」には単なるファンタジー以上の奥深さがあります。それは人間の死についても取り上げていること。どんなに花を咲かせても、死をなくすことはできないということを少年チトは知るのです。子供だけでなく大人が読んでも心に響く「みどりのゆび」。親子で味わいたい童話です。

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