2013年02月10日

エミリー・ブロンテ
『嵐が丘』 二週目
 
(光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

英国の女性作家エミリー・ブロンテが1847年に発表し、世界中で読み継がれている名作「嵐が丘」。イングランド北部ヨークシャーの荒野に立つ屋敷「嵐が丘」を舞台に、長く果てしない愛と憎しみの物語が描かれています。今週は物語の後半。主人公の一人であるキャサリンが子供を産んでまもなく亡くなるところからはじまります。しかしキャサリンがいなくなってもヒースクリフの復讐は終わりません。なんと次の世代へと続いていくのです。これほどまでに憎悪を持ち続けたヒースクリフという人間。読者は「こんな悲しい人物がいるだろうか」と思いながら、自分の中にも同じような弱さがあるのではないか?と感じてしまうのかもしれません。

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