2013年02月03日
エミリー・ブロンテ
『嵐が丘』 一週目
 
(光文社古典新訳文庫)

「かつての読書経験にはないものだった」と小川洋子さん。憎しみを究極に突き詰めていくと人間はどう破滅していくのかを描いた作品。読むのをやめたいのに、どうしてもやめられないほど「嵐が丘」の世界にはまってしまいます。これほどまでに個性的な小説を残したエミリー・ブロンテはどういう女性だったのか?物語の舞台でもあるヨークシャーに生まれ、2歳上の姉には「ジェイン・エア」の作者シャーロット・ブロンテがいます。エミリーが「嵐が丘」を発表したのは29歳の時。しかし肺結核を悪化させてしまいその翌年に亡くなります。自分の生命をすべて「嵐が丘」に捧げたエミリー・ブロンテ。その魂の叫びを感じるような小説です。

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