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リヒター 『あのころはフリードリヒがいた』 （岩波少年文庫） |
「あのころはフリードリヒがいた」の作者ハンス・ペーター・リヒターも、主人公の「ぼく」やフリードリヒと同じ1925年生まれ。彼は自分自身の体験や子供の頃に見聞きしたことをもとにこの物語を書きました。ナチス政権下の時代、作者リヒターのような人達が沢山いました。迫害もせず、迫害されてもいない。でもそういう一般の人達が重荷を背負わされていた時代でもあります。ドイツでは1950年代まで児童文学でヒトラーの時代を描くことはほとんどありませんでした。しかし歴史の事実を知らない子供たちが増えてきて、真実を伝えなくてはという流れが起こり、発表された作品のひとつが「あのころはフリードリヒがいた」だったのです。