2013年01月27日

リヒター
『あのころはフリードリヒがいた』
 
(岩波少年文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1月27日は「アウシュヴィッツ」が解放された日。それに合わせて選んだ1冊「あのころはフリードリヒがいた」。ドイツの作家で社会心理学者でもあるハンス・ペーター・リヒターが1961年に発表した児童文学です。日本でも70年代から読み継がれているので、子供の頃に手にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?物語のはじまりは1925年。この年、主人公の少年「ぼく」と、同じアパートに暮らすフリードリヒは生まれました。誕生日が1週間違いという二人は仲良くなり家族ぐるみの付き合いがはじまります。しかしやがてナチスが政権をとったことでユダヤ人への弾圧がはじまり、二人の運命も変わっていくのです。

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