2013年01月06日
『良寛〜旅と人生』
 (角川ソフィア文庫ビギナーズクラシックス)

「円通寺」の修行のあと、39歳の時に無名の旅の僧侶として越後に戻る良寛。そのまま托鉢行脚を続けながら、やがて国上山に建てられた古い庵「五合庵」に住み着くようになります。その後、20年間、この場所で暮らし、時に里におりて、一軒ずつ托鉢に回るのが基本的な生活スタイル。その中で子供たちとの交流もあり、私たちがよく知る「良寛さん」のイメージは生まれていきました。74歳で亡くなった「良寛」。生涯残した和歌は千四百あまり、漢詩は七百、俳句は百八句。辞世の歌は「形見とて 何残すらむ 春は花 夏ほととぎす 秋はもみぢ葉」。自己顕示欲とは無縁の姿が表れていて、それが長年愛されている理由なのかもしれません。

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