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岸本佐知子 『ねにもつタイプ』 （筑摩書房） |
岸本佐知子さんの「ねにもつタイプ」を、どんな時に小川洋子さんは手に取りたくなるのか？たとえば仕事に行き詰まった時。小説を書いていて、次の1行をどうするかで悩んだ時に読み返したくなるとか。そしてひととき岸本ワールドに触れることで気分が変わり、書きかけの小説に戻ることができるそうです。それほどまでに岸本佐知子さんのエッセイには、読者の心を別世界に連れて行ってくれる力があります。入り口は小さな日常であっても、その向こうには壮大な未知のドラマが待っている。自分の常識を揺さぶられるほどの怖さと面白さを持つ「ねにもつタイプ」。年末の忙しい時でも、ぜひ手に取りたい1冊です。