心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
1843年、ニューヨークに生まれ、その後、パリやロンドンなどヨーロッパ各地に移り住んだ文豪ヘンリー・ジェイムズ。彼が19世紀の終わりに発表したのが小説「ねじの回転」です。物語はクリスマスイヴに、ある会合が開かれるところからはじまります。それは誰かが怖い話を披露して、それをみんなが聞き入るという集まりでした。実は19世紀後半の英国では「心霊主義」が流行っていたとか。キリスト教が死後の世界に関する疑問に回答を与えていないと感じた人達の間でブームになったものだそうです。そのため当時は、怪奇譚を聞く集まりが数多く開かれ、小説「ねじの回転」もそれを反映しているのです。
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