2012年11月11日

川端康成
『古都』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今年はユネスコ世界遺産条約が採択されて40周年。それにちなんで「メロディアス・ライブラリー」でも2週にわたって世界遺産が登場する文学をセレクト。第2回は京都を舞台にした川端康成の小説「古都」を取り上げました。まず読み始めて感じるのは、京都らしさが溢れている作品だということ。平安神宮へお花見に行くところからはじまり、世界遺産の清水寺も登場。また夏の風物詩「祇園祭」も描かれています。華やかな古都を舞台に、数奇な運命を持つ双子の姉妹「千恵子」と「苗子」を描いた小説。京都という町がなかったら、この小説は存在しなかったのではと思わせるほど京都らしさを感じる作品です。

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