2012年08月05日

安部公房
『砂の女』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1962年(昭和37年)、安部公房が38歳の時に発表した小説「砂の女」。物語は、8月のある日、男が一人、行方不明になったところからはじまります。彼は休暇を利用して砂丘へ昆虫採集に出かけたまま戻ってこないのです。見渡す限り続く砂地で虫を探す男。日が暮れたため、夜は村人の案内でその土地の家に泊まることになります。そこは砂丘の稜線に接した穴の中にある不思議な家。下に降りるのは、縄梯子を使わなくてはなりません。そして迎えてくれたのは30前後の女でした。今までにも「メロディアス・ライブラリー」に沢山リクエストが届いている作品。その魅力はどんなところにあるのでしょうか?

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