2012年07月29日
リチャード・ブローティガン
『西瓜糖の日々』
 (河出文庫)

様々なものが西瓜糖で出来ている世界。そこで物語を書いている主人公の「わたし」。彼もまた西瓜糖の言葉で語り始めます。読者は、その言葉を読むのではなく、耳を傾けるように味わってみるといいのでは。今までにない読書体験ができるのではないでしょうか?リチャード・ブローティガンのファンは、日本にも沢山いますが、それは翻訳家の力も大きいはず。「西瓜糖の日々」を翻訳された藤本和子さんは、翻訳家の先駆けのような存在。柴田元幸さんをはじめ、翻訳家や作家に影響を与えています。ひとつひとつの言葉の役割がとても大きい小説「西瓜糖の日々」。作者のブローティガン、そして翻訳家・藤本和子さんが紡ぐ言葉の世界を心で感じてみてはいかがでしょうか?

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