2012年07月29日

リチャード・ブローティガン
『西瓜糖の日々』
 (河出文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1935年、アメリカ・ワシントン州で生まれたリチャード・ブローティガン。50年代から詩を書き始め、60年代に入って小説も発表するようになります。「西瓜糖の日々」は、ブローティガンにとって三作目の小説。様々なものが西瓜糖で出来ている不思議な世界が舞台となっています。小川洋子さんが「西瓜糖の日々」をはじめて読んだのは、作家としてデビューしたばかりの頃。当時、担当だった編集者の方からプレゼントされたということです。「言葉は日常のありふれた道具だけれど、こんな世界も描くことができるのか」と20代の小川さんは、「西瓜糖の日々」を通して、文学の奥深さを感じたそうです。

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