2012年06月10日
フィリパ・ピアス
『トムは真夜中の庭で』
 (岩波少年文庫)

「トムは真夜中の庭で」は、小川洋子さんが子供の頃から大切にしている思い出の1冊です。小説を書くようになってからも読み返し、今でも変わらぬ魅力を感じる童話だそうです。子供時代の記憶は宝物という小川さんのように、フィリパ・ピアスも子供時代の記憶をもとに、童話「トムは真夜中の庭で」を書きました。彼女は1920年に大学で有名な町イギリスのケンブリッジに近いのどかな場所で生まれ、育った家には広い庭園があったとか。それはまさにトムとハティが出会う庭の風景と同じでした。子供時代にいかに豊かな時間を持つことができるか。フィリパ・ピアスと小川洋子さん、二人の作家がその大切さを教えてくれます。

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