2012年06月10日

フィリパ・ピアス
『トムは真夜中の庭で』
 (岩波少年文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「時の記念日」にちなんで時をテーマにした童話「トムは真夜中の庭で」を選んでみました。イギリスの作家フィリパ・ピアスが1958年に発表した作品。物語は、主人公の少年トムの弟がはしかにかかり、トムが伯父さん夫婦の家に預けられるところからはじまります。その家は大きな邸宅だったものを、現在はアパートとして使っていて、玄関ホールには大時計がありました。ある晩、不思議なことが起こったのです。眠れないトムはベッドの中で、その大時計が13回鳴るのを聞いたのです。そして玄関ホールに下りて行き、裏庭に通じるドアを開けてみました。するとそこには昼の風景とはまるで違う美しい庭園が広がっていたのです。

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