2012年03月25日
ロマン・ロラン
『ベートーヴェンの生涯』
 (岩波文庫)

「ベートーヴェンの生涯」が発表されたのは1903年ですが、この時代に書かれた事にも大きな意味がありました。ヨーロッパの列強が対立していた20世紀のはじめ。特にロマン・ロランの母国フランスは、長い間ドイツと対立関係にありました。そんな中ドイツの作曲家ベートーヴェンへの賛歌のような文章を書いたのです。母国フランスでは批難される結果になりましたが、しかしロマン・ロランは第一次世界大戦後も戦争反対を訴え、平和への想いを持ち続けていたのです。ベートーヴェンの名曲を聴きながらロマン・ロランの作品を読んでみる。苦悩の人生に立ち向かった二人。そこから生きる力をもらえるような気がします。

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