2012年03月18日

『西行〜魂の旅路』 西澤美仁 編
 (角川ソフィア文庫 ビギナーズクラシックス)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

現在、大河ドラマで放送されている「平清盛」。彼と同じ1118年に生まれ、「北面の武士」としても同僚だった佐藤義清。その後、23歳の時に出家して、和歌の世界を追求するようになるのです。彼こそ平安時代を代表する歌人「西行」。およそ900年の時を超えて、今もなおその名と和歌は語り継がれています。弓の名手で武士としてもエリートだった西行はなぜ出家したのか?その答えは彼が残した和歌の中にあるのではないでしょうか?「空になる心は春の霞にて 世にあらじとも思ひ立つかな」これは出家を決意した時の歌。霞が立つのと同じように世を逃れようと思い立った、と詠い、どこか自問自答しているような和歌でもあります。

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