2012年02月26日
リンドグレーン
『長くつ下のピッピ』
 (岩波少年文庫)

作家リンドグレーンは、自分の娘がまだ小さい時に毎晩お話を聞かせていました。それがもとになって生まれた童話「長くつ下のピッピ」。しかし出版された1945年当時、スウェーデンでは賛否両論あったとか。「子供は厳しくしつけなくてはならない」と考える人たちが多く、ピッピのような女の子の存在は認められなかったからです。しかし結局、読者がピッピの魅力にひきつけられ、北欧中に広まり、英語、ドイツ語、日本語にも翻訳されるようになりました。あらためて読むと学校やサーカスなど楽しいエピソード満載。特に小川洋子さんが好きなのは、ピッピが発見家になって遊ぶ話。ピッピは強いだけでなく繊細な女の子だとわかるエピソードです。

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